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東京きものショー 3月30日
2024/04/17
3月30日金曜日 スタッフ:北川編
この日は京鬢結髪師みゆによる神楽坂の半玉さん結髪実演、花影きもの塾きものショー「三国(日中韓)の花嫁衣装」を鑑賞いたしました。
京鬢結髪師みゆによる神楽坂の半玉さん結髪実演
※半玉とは関東圏における年少芸妓(芸者見習い)のこと
今回は関東風と京風を混ぜた日本髪の髪結を見せていただきました。
もっといという和紙でできた紐でつけ毛と一緒に結っていきますが、こちらは結う際に力が入るので普通のゴムでは切れてしまうとのこと。
ひたすら鬢櫛で髪をまとめ、もっといで力強く縛っていきます。
小さなフラフープのようなものも土台に入れたり、毛たぼを入れたり、紺髪と言われる糊のついた髪でびんの後ろを整えられたりされているうちに日本髪がどんどん出来上がっていきます。
青山ゑり華の花岡社長が解説をされていらっしゃいましたが、花岡社長が伝統的なものは道具からなくなっていくと仰っていたことが印象的です。
また、まげを作る土台となる髪をしっかり結うことも10年やってようやく一人前になれるとのこと。
みゆさんは30年やっていらっしゃるとおっしゃっており、習得までに時間がかかる技術を安易にできると言われないようにと実演中は動画や写真は禁止とされていました。
もっといも紺紙ももう作っているところはかなり少なくなっていること、習得に長くかかる技術を伝えれるお弟子さんが見つからないことなど、技術の伝承の難しさをひしひしと感じました。
その後みゆさんと和香さんは人力車で別の会場まで移動されるとのこと。
ビルの出口にはその姿を見ようと出待ちの方でいっぱいで、とっても人気のみゆさんでした。
花影きもの塾きものショー「三国(日中韓)の花嫁衣装」
花嫁衣装とのことで最初は白無垢や色打掛がメインかと思いきや、
訪問着・付け下げ・黒留袖など、婚礼に関わるお衣装を着たモデルさんが次々と出られており、華やかなショーでした。
引き振袖の着付けから帯を締める実演もあり楽しく拝見しました。
また、なぜ日中韓の花嫁の衣装なのかと疑問に思っていましたが、日本の着物のルーツは大陸からやってきたというコンセプトだったため、そこから派生した中国と韓国の花嫁衣装を日本の花嫁衣装と並べるというスタイルが新鮮でした。
清楚で神聖な雰囲気の白無垢と、水色に刺繍が施された爽やな美しさの韓国の婚礼衣装、真っ赤な色味がインパクトとおめでたさを全面に押し出した中国の婚礼衣装の並びがとても華やかかつ、ルーツが同じでもそれぞれの文化を形成し、違うシルエットへと変化していった様が一目で分かるショーだったと思います。
その他、キモノスタイル展やマルシェ、道中のサテライト展などにも足を運びましたが、
どこに行っても着物をお好きな方がたくさんいらっしゃっており、非常に熱気にあふれていました。
また展示されているトルソーだけではなく、ご来場されている方みなさんが思い思いのおしゃれなスタイリングをされており、
オーソドックスなスタイルからカジュアルな洋装感覚で着ていらっしゃる方、富山ではあまりお見かけしない袴の方など、同じ着物でも着る方によって雰囲気がとても変わることが印象的です。
私は普段は結婚式・入学式・20歳の集いなど、礼装として着用する際の着物やコーディネートのご提案を主にさせていただいていますが、式典ではない気軽なおでかけや、今回のイベントのようなプライベートな時間においては着物という伝統的な衣装を着ること、それをどのようなスタイリングにするかも含め、着物が好き・日本文化が好きという気持ちを含めた自己表現的なファッションであるというポジティブな空気感があり、着物文化やそれ担っている方々の懐の深さや寛容さを強く感じ、とても良い1日となりました。
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