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初宮参りと七五三:富澤輝実子|わらくあんみずもちsince1941 富山

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初宮参りと七五三
今日は「初宮参り」と「七五三」のお話しをいたします。初宮参りはその名の通り赤ちゃんが初めて神社にお参りすることなのですが、その神社は「氏神様(うじがみさま)」ということになっています。その氏神様に両親や祖父母に抱かれた赤ちゃんは初めてご挨拶をするのです。「今後一生お見守りください」とお願いするわけですね。どなたも困ったときに「神様、仏様、キリスト様」などと頼るようですが、最初にご挨拶をしておくのが礼儀と考えられてきたのでしょう。

本来は氏神様にお参りするのですが、現在都会では必ずしも地域の神社ではなく、有名神社や規模の大きな神社にお参りしているようです。
お参りの時の装いは和装をお勧めいたします。初宮参りの素敵感は抱かれた赤ちゃんに掛ける「祝い着」から発散される伝統の力と華やぎだと思うからです。
初宮参りで赤ちゃんを抱くのは「父方の祖母」が習わしとなっています。父方のおばあちゃまが赤ちゃんを抱き、包むようにすっぽりと祝い着を掛けます。祝い着にはおおむね友禅で、女の子でしたら花柄や毬、くす玉、束ね熨斗、松竹梅などの華やかな模様が染めてあります。男の子は鷹や富士山、宝尽くしや宝船、巻物などの模様が多く見られます。
祝い着には幅広の紐が付いていて、そこにお守りや扇子、お祝い品などを飾り付けます。
この祝い着は洋服の上から掛けても様になりません。やはり着物姿でないといけませんね。

私の経験談
ここからは、私の経験談です。初孫(男の子)が生まれた時に嬉しくてうれしくて、すぐ初宮参りの祝い着を求めに東京・日本橋のデパートに行きました。七五三でも活用したいと考えていましたので、少し奮発して●十万円もするのを注文してお参りの日をウキウキしながら待ちました。12月生まれでしたので寒中は風邪でもひいてはいけないと思い春先になりましたが、息子夫婦が希望した明治神宮にお参りしました。祝詞(のりと)をあげていただいているときに孫がぐずることなくご機嫌でおとなしくしているのに気づきました。孫は祝詞の伴奏(?)が心地よかったのですね。嫁は「この子、音楽が大好きみたいです」と笑っていました。

その後、予約してあった明治記念館の料亭に行き、両家で食事会をしました。赤坂のとらやのお赤飯を引き出物に添え、嬉しい日でした。

初宮参りの祝い着をもう一度着る!
昨年11月に数え5歳で七五三参りをいたしました。初宮参りの祝い着を七五三の羽織にしたかったのですが、それは無理と分かり、着物に仕立て直してもらうことにしました。羽織を別に作ることも考えましたが、「初宮参りの祝い着を5年後に七五三でもう一度着る!」という成長物語にひかれて、着物姿でお参りすることにしました。これが素敵だったのです。ちょうど、11月中旬に『美しいキモノ』が東京の神田明神で取材・撮影をすると誌上告知がありましたので、出かけました。当日は絶好の初冬の小春日和。大勢のご家族がお参りした良い写真が現在発売中の『美しいキモノ』秋号「七五三特集」に掲載されていますので、ご覧いただきたいです。私の孫も交じっています。

※「紋付羽織袴」が男子の正装ですから、羽織なしではいけないかしら、と悩んだのですけれど、お宮参り一回だけでは●十万円の出費はちょっと重荷です。七五三で活用できると思うとなんだかとっても得したような気分になりました。もちろん、仕立て代やその他の出費は馬鹿になりませんが、それでも孫の成長をはっきり感じることができて幸せでした。着物は一回きりではなく、いついつまでも何回も、様々に形を変えながら役立たせることのできる優れた伝統衣装だと思います。

〈富澤輝実子プロフィール〉

染織・絹文化研究家:富澤輝実子(とみざわ・きみこ)
1951年(昭和26年)新潟県生まれ。婦人画報社入社。『美しいキモノ』編集部で活躍。
副編集長を経て独立、染織・絹文化研究家として活動。誌面「あのときの流行と『美しいキモノ』」連載。
婦人画報社:現ハースト婦人画報社https://www.hearst.co.jp/

美しい着物編集部での活動

昭和48年:婦人画報社(現ハースト婦人画報社)入社、美しいキモノ編集部に配属。
入社した頃はまだまだ着物業界華やかなりし時代で、毎号超一流のカメラマンが超一流の女優さんをモデルに最高の着物姿を撮影してくださいました。
この時代は、貸しスタジオがさほどありませんから、ご自分でスタジオを構えているカメラマンのところに伺いました。
最も多く行ったのは麻布霞町(現在の元麻布)にあった秋山庄太郎先生のスタジオでした。
「本格派のきもの」というテーマでは大女優、名女優が毎号お二人出てくださいました。
当時の編集長がページの担当で私たち新人はアイロンかけのために同行。
当時のバックナンバーを見てみると、岡田茉莉子さん、十朱幸代さん、小山明子さん、星由里子さん、佐久間良子さん、三田佳子さん、司葉子さん、有馬稲子さん、岸恵子さんなど錚々たる方々です。

取材

産地取材:明石縮、伊勢崎銘仙、越後上布、江戸小紋、大島紬、小千谷縮、加賀友禅、京友禅、久留米絣、作州絣、塩沢紬、仙台平、秩父銘仙、東京友禅、西陣織、博多帯、結城紬、米沢織物など各地に。
人物取材:「森光子のきものでようこそ」の連載。森光子さんが毎号おひとりずつゲストを迎えて着物姿で対談をしていただくページで、浅丘ルリ子さん、池内淳子さん、千玄室大宗匠、中井貴一さん、人間国宝の花柳壽楽さん、東山紀之さんなど華やかなゲスト。

海外活動

娘時代から続けてきた茶の湯の稽古が思いがけず役に立つときがやってきました。
海外における「ジャパニーズ・カルチャー・デモンストレーション」のアシスト。
バルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)、ベラルーシ、ロシア・サンクトペテルブルク
日本文化の普及活動のお手伝いをしています。

講師として

大学や専門学校で「日本の染織」「着物現代史」「世界の民族衣装」の授業を担当。
NHKカルチャーでは「着物の基本」をレクチャー。
早稲田大学の「早稲田のきもの学」の講師。

〈会社案内〉

水持産業株式会社
https://www.warakuan.jp/
〒933-0804富山県高岡市問屋町20番地
TEL:0120-25-3306

理念:世の為、人の為、共に働く仲間の幸福と成長のために

目標:着物で笑顔がいっぱいに、地域に愛される会社・最大売上最小経費を実践し、次世代(みらい)へ繋ぐ

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