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【アレコレ細野美也子】着物コーデ:7月③ 東レ洗える附下|みずもち|富山県

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カジュアル以上フォーマル未満のコーディネート。

〈着物〉

夏を楽しむクオリティがある附下。

日本は暑さだけでなく特有の湿気があります。
着物を着るとき、何を着るか、悩ましいところです。
もちろんTPOによるのですが、こういう季節にこそ洗える附下、東レシルックやセオ・アルファの、生地としての機能を活用していただきたいと思います。

今回はちょっとその素材について、私の実感も含めてお話したいと思います。ちょっと長くなりますが-。

正直、素材は化繊より天然素材が好きです。
絹に勝る素材はないと思っているのですが、純粋に素材としての肌触り、通気性、光沢などを考えれば多くの方が同意見だと思います。

しかし、扱いや手入れの繊細さ、メンテナンスに経費がかかるという悩ましさがあります。
昨今は「洗える」というのがキーワードになっていて、そこからカジュアルにおける木綿、麻などの太物人気につながっています。
私自身も麻の涼しさや木綿の手軽さが好きで、特に夏は麻をよく着ます。

ですが、場所によってはきちんと感がある、綺麗目な装いをしたい時があります。

しかし、そうは言っても完全フォーマルではない場合が多いですよね。
言ってみれば、カジュアル以上フォーマル(セミフォーマル)未満というシーン。
洗練された小紋などの柔らかものや、涼感のある薄もので、大人のお洒落としての品がある着物-。

イメージとしては優しげな絽や、垢抜けた紗、夏紬などだと思うのですが、
盛夏に正絹を着用するのはいろんな意味で躊躇があるものです。

しかも、現代では薄ものを多種類お持ちの方は少ないと思います。

私の話に戻りますと、今夏、まさにそういうシーンでの着物パーティがありました。

知人が立ち上げた法人の10周年記念。
敬意を表した装いがふさわしいですが、主催者の趣旨としてそこまで堅苦しくはなく、また私自身、挨拶に立つほどの立場でもない。
着たあとの手入れも気になる。

さて、何を着ようかと考えたとき、東レ素材の洗える小紋。
淡水色で、パッと見は無地にも見える控えめな蛍絞り様の白い暈しが入っています。
それに初代・久呂田明功の菖蒲の絽の九寸名古屋帯を合わせました。
会場に着いてから、まさにベストだったと思えるチョイスでした。
夏に着る「きちんと感があるキレイめ」な装い。

そして、その日は周年パーティのあとに近藤サトさんのYouTube収録「浴衣と日本酒の会」にゲストとして招ばれていました。
私は浴衣ではなくそのまま会場へ。
サトさんファンの視聴者の方とともに楽しむ飲み会でも気兼ねなく楽しめました。

しかも、当日は短時間とは言え、とてつもない雷鳴が響く豪雨。
これも洗える素材なら心配はなし。
ベストチョイスの理由です。

小紋以外にもう1枚、東レ素材を着ていますが、もちろん化繊だから安っぽいなどというイメージはすでに偏見、過去の既成概念です(もちろん、ものによりますが)。
色も美しく、染めの加工も職人の手作業で行われた十分なクオリティがあります。

こういう言い方をすると化繊への偏見に抵触するかもしれませんが、合う人ごとに「化繊には見えない」と言われました。
(褒め言葉として素直に受け取れる感想でした)

もちろん化繊がベストだとはいいませんが、劣るわけでもありません。
それぞれの特性やメリット、デメリットをジャッジして、必要に応じて着分ける時代だと発信してきました。
これまでもカジュアルのセオ・アルファは着ていましたが、「きちんと感がある夏着物」として、正絹の薄物とは別な座標で必須のマイアイテムになりそうです。

ぜひ皆さんもお試しを。

着物初心者の方が気軽に着られる附下。着物上級者の方が満足する完成度。
きものサロンみずもちセレクト附下。

〈帯〉

夏八寸名古屋帯 西陣織 帯屋捨松 貝づくし。

帯屋捨松の、夏の海辺を写したような貝づくし模様の夏名古屋帯。
“子供が描いたように見える巨匠の絵”という雰囲気が、いかにも捨松らしい。

もちろん、リアルにシャープに描こうと思えばできる織りの技術はありますが、この柄、雰囲気は他社ではなかなか真似ができないオリジナリティです。
必ず声をかけられ、話題になる個性とユニクーさがあります。

中間色の優しさが思いの外、着物の色を選ばず調和します。
懐かしい夏休みの記憶を手繰り寄せるように、貝の柄を楽しんでください。

〈コーディネート〉

夏八寸名古屋帯 西陣織 帯屋捨松 貝づくし。
楽しい柄をライトグレッシュの色調で品よくまとめる大人のお洒落。
帯が個性的ですが、着物、帯両方色ののトーンが揃っているので上品なまとまりがあります。

色のトーンとは-以前も書いたことがありますが、色の調子、色調のことです。
鮮やかな色調は印象が力強くなり、ダークな色調はダンディで上質な印象、優しいペールな色調だとロマンティックで可愛さを感じます。

多色を使ってもトーン=色調が揃っているとまとまります。
今回はきものの地色のピンク、帯のグリーン、イエロー、ブルーとも、ややスモーキーな色み。

穏やかな夏の波際を歩くような気持ちでお出かけください。

夏附下:東レシルック洗える着物 111-0154
夏八寸名古屋帯:西陣織 帯屋捨松 貝づくし
夏帯上:京都和装小物 衿秀 三本絽 水撚り八丁撚糸使用 水色 313-0202
夏帯〆:江戸組紐 五嶋紐 レース 312-0391
きものサロンみずもち:https://warakuan.shop-pro.jp/

〈コーディネーター〉

コーディネート 文:細野美也子様(月刊アレコレ)
https://www.arecole.com/
Instagram:@arecole.miyakohosono

〈会社案内〉

水持産業株式会社
https://www.warakuan.jp/
〒933-0804富山県高岡市問屋町20番地
TEL:0120-25-3306

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