【アレコレ細野美也子】着物コーデ:8月⑤ 東レ洗える附下|みずもち|富山県
その席でも一目置かれる趣味性の高い上級者好みのコーディネート。
〈着物〉
洗練された渋さがテーマ、山並の暈し染めが秀逸なデザインの夏附下。
夏季はわりとさっぱりしたデザインの附下を紹介してきましたが、こちらは立体的な山並ボカシが描かれた洗える附下。
前身頃の上の方まで柄が入っており、仕立てると訪問着にも見紛う凝った柄の構成です。
前身頃の染めの濃淡で下半身がスッキリと見える効果があります。
山の風景は桜から新緑、夏の濃緑、そして紅葉色と、変化していきます。
勢いのある濃緑から紅葉になる間の、落ち着いた山の色を表現したような灰青磁色〜薄利休茶で構成された配色。
そろそろ絽も着納めに入ってくるこの時期にふさわしい附下です。
正直なところ、色だけで見るとやや地味……と感じられる方もいるかもしれません。
しかし、決してそうではない、というところを今回はぜひお伝えしたいと思いっています。
着物ははあたりまえですが、色だけ、柄だけでそのイメージや雰囲気が決まるものではありませんが、人の目はまず色をみます。
そこで、明るい、渋い、派手、落ち着いた、かわいい等々の自分の中での色の先入観で第1ジャッジをします。
そして柄を見て第2ジャッジをします。
実際にはほぼ同時にこれを行っているわけですが、この山並のボカシ染めはシンプルな表現ではありますが柄の面積が大きく、さらにはその濃淡、そして山のラインに入る白が抜け感と立体感になっていて、渋みと豊かさが感じられます。
渋さとは地味は別。
渋さはクールにつながる表現なのです。
いままでご紹介したものとは違うカッコよさをみていただきたいと思ったのです。
やや帯を選びますが、誰でも着られるアイテムとは違ったオーラをまとえると思います。
着物初心者の方が気軽に着られる附下。着物上級者の方が満足する完成度。
きものサロンみずもちセレクト附下。
〈帯〉
単衣・夏染九寸名古屋帯 栗山工房 和染紅型 麻 メディニラ。
かつての栗山工房らしい帯とは、いい意味で違う麻夏九寸名古屋帯です。
メディニラの正式名称は、メディニラ・マグニフィカ。
フィリピンが原産のノボタン科の花です。
実はこの花の色はピンク。
可愛いですが、現物の写真などを見ると、あまり日本人好みとは言えないかもしれません。
それゆえ、この花を栗山工房が帯にするとこうなるのか、という意外性、楽しさがあります。
単色で淡彩画風に仕上げられていること、そして柄としての構図が秀逸なので、エッジの利いた日本画のようでもあります。
私自身、麻の染め帯が大好きです。
しかし、やや個性的なものが好みということもあり、これというものに出会うことが少ないのですが、最近の大胆な構成の栗山工房の帯には着物の魅力を引っ張り上げる力が増しているなと感じます。ぜひ、染め帯の力もお試しください。
〈コーディネート〉
あえて、似合う人が限られる趣味性が高い上級コーディネート。
帯はともかく、着物は誰でも着こなせるとは言えないかもしれません。
しかし、うまく合わせられると平凡からアタマ1つ抜けた趣味の良い上級者コーディネートになります。
40代以上の方でなければ着こなしは難しいかもしれませんが、すべての年代で着られる着物にはないお洒落を楽しんでいただきたいコーディネートです。
渋いコーディネートですが地味にしないポイントは白さが光る帯〆。
帯上に別な色をいれるときは、着物と帯の色の調和を崩さないように、
彩度の高い色は避けて、クリーム色やベージュ系など、青みより黄みがある色のほうがまとまります。
夏附下:東レシルック洗える着物 111-0149
単衣・夏染九寸名古屋帯:栗山工房 和染紅型 麻 メデイニラ 薄グレー 120-0030
夏帯上:京都和装小物 衿秀 麻 草色 313-0223
夏帯〆:京都和装小物 衿秀 段違い縞 白×赤ライン 312-0414
きものサロンみずもち:https://warakuan.shop-pro.jp/
〈コーディネーター〉
コーディネート・文:細野美也子様(月刊アレコレ)
https://www.arecole.com/
Instagram:@arecole.miyakohosono
〈会社案内〉
水持産業株式会社
https://www.warakuan.jp/
〒933-0804富山県高岡市問屋町20番地
TEL:0120-25-3306
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