茶の湯の着物:裏千家正教授 藤井宗文|わらくあんみずもちsince1941 富山
茶の湯の着物:茶事・茶会に着る着物はどのようなものがふさわしいでしょうか。着物着てきてねの一言で不安がたくさんあるかと思います。この度、淡交社様のご紹介とご協力のもと、裏千家正教授 藤井宗文先生にご教授いただき「茶の湯の着物」を着物作成からはじめさせていただきました。
この着物制作並びに各月をテーマに設えを撮影させていただくにあたり、茶事・茶会にふさわしい着物は一言で表すことは大変難しいという事を実感いたしました。
藤井宗文先生のポイントをご確認いただき、ふさわしい着物を考えてみていただけましたら幸いです。
ポイント
亭主が着る着物は、茶会のテーマに則して意味を持って着るのであればどのような柄行のものでもよいと思います。亭主以外のお手伝いの方が一歩下がって亭主より控えめなものを選ばれることを考えると、総柄のようなものも華やかでよいのですが、柄の少ないものもまた奥ゆかしくてよいものです。
お祝いの席、追善の席など、そのお茶会の主旨により、お祝いの席であれば華やかに、追善の席であれば厳かに、通常の月釜であれば派手になりすぎないなど、TPOによる配慮も含めて選ばれるとよいでしょう。
〈茶の湯の着物:一月〉
「福寿草」
お正月になると、寄せ植えの植木鉢に福寿草をよく見ます。福寿草は別名に「元日草」とか「朔日草」といわれるように、昔からお正月のイメージがあります。旧暦の正月には地域によって咲いていたのでしょう。この着物の福寿草はまさに早春の姿で、品種にもよりますがもう少し季節が進めば枝が分かれて複数の花をつけます。福寿草は自然には落葉樹林の日だまりなどに群生します。福寿草と同じくキンポウゲ科の節分草や、ユリ科のカタクリと同様に、春を告げる草と言う意味で春植物(スプリング エフェメラル)と呼ばれています。花の少ない早春を彩ってくれる愛おしい花であります。
いずれも丈の短い花々なので、大寄せの茶会の置き花入れには合わせにくい為に、茶花と着物が競う心配が少ないと思われます。花びらの一枚一枚に春の光を纏うようなこの着物は、初釜のお手伝いやお客として着ても茶席で上品に匂い立って、着る人を引き立て、また見る人を魅了してくれることでしょう。
商品番号:103-LL-kaw0069
商品名:訪問着レンタル 訪問着LLサイズ 加賀友禅:本間哲哉 福寿草 薄ピンク紫
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10874/
ロケーション:平野の家 わざ 永々棟
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
「七草」
一月七日には七草粥を頂く風習が残っています。七日は五節供の一つで「人日」です。五節供としては一月一日が月と日が奇数で重なるので、重日思想として「火」の気が強すぎる為に祓をする日ですが、さすがにすべての邪気を祓い清めて迎えてめでたい日ですので、元日は避けて人を占う日であった七日を「人日」として江戸時代になって節供の中に加えられました。
この日は唐土から邪気である「鬼車鳥」が来るのを防ぐために、トントンと塀や壁を叩き、犬の耳を捻って鳴かせることで、「鬼車鳥」の到来を防いだのですが、その一環として野辺から積んできた七草をまな板に載せ、包丁で音を立てながら刻みました。その時の囃子歌が各地に残ります。
唐土の鳥が日本の国に渡らぬ先に七くさなずな
七草とは 芹(せり) 薺(なずな) 菘(すずな) 蘿蔔(すずしろ) 仏座(ほとけのざ) 御形(ごぎょう) 繁縷(はこべら) の七種で、食べることができるので実は七菜です。野菜不足の冬季に青物を摂取したとも言われていますが、いずれにせよ七草の絵柄を身にまとうのは、正月の春野に力強く芽生える生命力と、邪気を追い払う力をもつ縁起の良い着物であると言えます。
商品番号:103-LL-kaw0071
商品名:訪問着レンタル 訪問着LLサイズ 加賀友禅:本間哲哉 七草 ベージュ
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10879/
ロケーション:おおきに迎賓館 黒門中立賣邸
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
「若菜摘み」
「君がため春の野に出でて若菜つむわが衣手に雪は降りつつ」古今和歌集「春よ」光孝天皇
一月をテーマに裏千家正教授藤井宗文先生の監修の基二代目由水十久先生が製作された着物。茶席に相応しいように下前に若菜を摘む童子が描かれています。
貴方にあげようと春の野に出て若菜をつむ私の衣の袖に振っても振っても雪が降りかかってきます。〈衣の裄と雪がかかりことば〉※お正月の子の日の若菜つみの歌。
商品番号:103-LL-kaw0068
商品名:訪問着レンタル 訪問着LLサイズ 加賀友禅:二代目由水十久 若菜摘み 薄香色
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10873/
ロケーション:平野の家 わざ 永々棟
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
「宝尽くし」
商品番号:103-LL-kaw0070
商品名:訪問着レンタル 訪問着LLサイズ 加賀友禅:本間哲哉 宝尽くし 灰桜色
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10877/
ロケーション:おおきに迎賓館 黒門中立賣邸
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
「宝尽くし」
商品番号:103-L-kaw0182
商品名:訪問着レンタル 訪問着Lサイズ 十日町友禅:吉澤織物 宝尽くし 水色
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10124/
ロケーション:京料理清和荘
撮影:山平舎 代表 小林正和
〈茶の湯の着物:二月〉
「白梅」
爽やかな若紫の地色に、優しい枝の白梅を描いた上品で格調高い着物です。梅は「夜の花」とも言われますが、清々しく馥郁たる香を放つ為に、闇夜であっても花の存在を知るからでしょう。また訪ねて来る人の袖がうっかり枝を揺らすことで香り立つという歌が古来詠まれているために「誰袖(たがそで)」が係りのある言葉になっています。
色よりも香こそあはれと思ほゆれ 誰が袖触れし宿の梅ぞも
奈良時代までは花と言えば梅でした。また「令和」の年号の出典も万葉集第五巻の「梅花の歌三十二首の序文」から採用されていることは周知の事です。これは大伴旅人の大宰府の邸宅で開かれた「梅花の宴」での歌会でした。古来春を告げる花として、鶯と共に愛されてきましたが、寒い冬の終わりを喜ぶ人々の声が聞こえて来るようです。
商品番号:103-LL-kaw0072
商品名:訪問着レンタル 訪問着LLサイズ 加賀友禅:本間哲哉 白梅 江戸紫
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10880/
ロケーション:ちおん舎
撮影:山平舎 代表 小林正和
「紅梅に降る淡雪」
佐保姫が機を織ると、春が広がって行くという伝説がありますが、その糸はほんのり芽吹いた柳であるという歌が少なからずあります。そんな若い柳色の様な若緑の地色が、雪は残りますが季節は春であると教えてくれます。雪の白さは白梅と見まごうと言われてきましたが、紅梅に降る雪はその色の対比が美しいのです。また春の雪は、和歌では白雪とは詠まず「淡雪」であり「残り雪」です。植物たちは自ら雪を溶かして芽吹くと言われます。暦の上では春になっていても、実は雪が降るのはその頃の方が多いように感じます。春の淡雪を頂いて匂い立つ紅梅が尚更愛おしく感じられます。
さて梅と言えば、梅花祭も催される菅原道真が第一に思いだされます。道真の自宅は塾として学生が多く学んでいました。彼の学んでいた部屋の前には紅梅の木が在ったので紅梅殿と呼ばれていました。此の紅梅を詠んだ和歌が広く知られている「東風吹かば…」です。この歌をもとに、梅が大宰府まで飛んで行ったとする「飛梅」の伝説が生まれます。
また梅の別名の「好文木(こうぶんぼく)」は、中国の晋の武帝が学問に励むと花を開き、止めると開かなかった故事に由来しています。学問を好む花と言う意味を持つので、優秀な道真の説話とも結びつきます。
商品番号:103-LL-kaw0082
商品名:訪問着レンタル 訪問着LLサイズ 加賀友禅:本間哲哉 紅梅に降る淡雪 浅緑色
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10919/
ロケーション:おおきに迎賓館 紫明出雲路邸
撮影:山平舎 代表 小林正和
「有職菱」
商品番号:103-LL-kaw0045
商品名:訪問着レンタル 訪問着LLサイズ 京友禅:染匠市川 有職菱 臙脂
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10437/
〈茶の湯の着物:三月〉
「貝桶と貝合わせ」
王朝貴族が好んで行っていた遊びに、物合わせと言って物の大小や長短を比べ合い、歌を詠み合うものがあります。その一つに貝合わせがありました。しかし貝は大きさを比べるのではなく、蛤の貝を二つに分けて内側に同じ絵を描くことで、元は同じ貝だったと言う確認をいたします。片方の貝を伏せておき、もう片方の貝を覆って同じものを探す遊びなので「貝覆(かいおお)い」と呼ばれていました。美しく大和絵で装飾された貝は、多い物は百八十組もあり、九十組ずつ貝桶と呼ばれる桶に収納されます。この貝桶は蛤に夫婦の操を表す意味も有る為に、婚礼や雛祭りに飾られまた遊ばれていました。雛祭りにはうれしい絵柄です。
雛祭りは正しくは「上巳(じょうし)の節供」といい、本来は火の穢れを祓う祀りであった為に、水で手足を清めてから蘭草(藤袴)を踏んで禊をいたしました。これを「踏青(とうせい)」と言います。日本では禊の多くは海で行われていました。旧暦三月三日は大潮であるため、潮干狩りの風習も伴ったようです。
商品番号:103-LL-kaw0085
商品名:訪問着レンタル 訪問着LLサイズ 加賀友禅:本間哲哉 貝桶と貝合わせ 浅比色
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10937/
ロケーション:平野の家 わざ 永々棟
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
「白木蓮(はくもくれん)」
木蓮と言えば暗紅紫色の紫木蓮をさしますが、紫木蓮より先だって咲くのが白木蓮です。木蓮は花が上向きに開いた姿が、まるで蓮のようだとして、木に咲く蓮で木蓮になったと聞きます。以前は山肌を辛夷(こぶし)の白い花が覆うと、庭や公園などに植えられた白木蓮が芳香を伴って咲き誇り、本格的に仲春に至ったことを教えてくれました。白木蓮が咲くと桜が咲く季節の到来を感じたものです。昨今の気象状況では様々な春の花が一度に咲いて、季節の移ろいをゆっくり楽しめないのが残念です。
白木蓮は少し厚みのある花びらに気品を感じ、濃い黄色の雄蕊の色とのコントラストが美しく、気高い花です。青空に映え春霞を伴うこの着物は、着る人を高貴に見せてくれる心惹かれる着物です。
商品番号:103-LL-kaw0047
商品名:訪問着レンタル 訪問着LLサイズ 京友禅:染匠市川 白木蓮 水色
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10431/
ロケーション:おおきに迎賓館 紫明出雲路邸
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
「祇園枝垂桜」
円山公園の有名な「祇園枝垂桜」を初めて見た時、思いのほかに花が白く染井吉野に先がけて咲くことに驚きました。近頃は烏の害で梢がむき出しなのが痛々しいのですが、以前はもっと花で覆われていたと記憶しています。枝垂桜は全体の姿が美しいのは勿論ですが、私はその個々の枝の風情が好きです。決して真っ直ぐではなく、途中から別の枝が出る様が心憎い程に情緒があります。朝日に匂い立つ桜が美しいのは当然ですが、与謝野晶子が詠んだように、春宵の夕月の影と雪洞の火影に映える美しさは、その花を見る人々までも美しく見せる魅力が桜にはあります。そんな花を着物として纏えば、着る人の美しさをより一層引き立ててくれる筈です。
商品番号:103-LL-kaw0046
商品名:訪問着レンタル 訪問着LLサイズ 京友禅:染匠市川 祇園枝垂桜 薄ピンク
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10430/
ロケーション:平野の家 わざ 永々棟
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
「紅枝垂桜」
ほんのりと上品な薄紅(うすくれない)を爪紅(つまぐれ)に染めて咲く枝垂れ桜が、着る人を包み込むように枝を伸ばす様子は、着物と着る人に一体感をもたらしています。桜の花色は薄いグレーと合わせると一番美しく感じるのは、花曇りのイメージからでしょうか。見る人の目を惹きつけ、しかし決して茶席の邪魔をしない麗しい着物として、いつまででも着ていたく、是非身近に持っていたい逸品となりました。
商品番号:103-LL-kaw0088
商品名:訪問着レンタル 訪問着LLサイズ 加賀友禅:本間哲哉 紅枝垂桜 薄色
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/11054/
ロケーション:平野の家 わざ 永々棟
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
「連翹(れんぎょう)に桜の花びら」
染井吉野が一斉に咲き誇る時、その木々の下には菜の花や、連翹の花のような黄色系の花があると、互いに引き立て合って美しく、春の盛りの青空の下であれば、なお一層際立った景色が見る人の記憶に深く残るでしょう。連翹は茶花にもなりますが、使い方が難しいのか茶席にあまり見かけませんので、むしろ着物の中で桜の季節に楽しみたく思います。此の着物には散り初めた桜が描かれていて、季の移ろいを感じさせてくれています。躍動感が有り自由に枝を伸ばす連翹の着物は、是非若い方にお召になって頂ければ嬉しく思います。
商品番号:103-LL-kaw0086
商品名:訪問着レンタル 訪問着LLサイズ 加賀友禅:本間哲哉 連翹に桜の花びら 露草色
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10938/
ロケーション:平野の家 わざ 永々棟
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
「柳」
「あさみどり糸よりかけて白露を玉にもぬける春の柳か」古今和歌集「春よ」僧正遍昭(弘仁7年(816年)ー寛平2年1月19日(890年2月12日))3月をテーマに裏千家正教授藤井宗文先生の監修の基、二代目由水十久先生が製作された着物。茶席に相応しいように下前に童子が歌を詠むさまが描かれています。
商品番号:103-LL-kaw0083
商品名:訪問着レンタル 訪問着LLサイズ 加賀友禅:二代目由水十久 柳 薄色
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10920/
ロケーション:平野の家 わざ 永々棟
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
「鏡裏飾華紋」
商品番号:103-L-kaw0099
商品名:訪問着レンタル 訪問着Lサイズ 鏡裏飾華紋 ピンク
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/3666/
ロケーション:京料理清和荘
撮影:山平舎 代表 小林正和
〈茶の湯の着物:四月〉
「花筏」
桜の花は散って水面に落ちるとずっと繋がって流れていきます。その様子はまるで丸太を流す筏を思わせるので「花筏」といわれます。京都東山の秀吉とねねを祀る霊廟でもある高台寺には、霊屋の須弥壇に有名な流水花筏の蒔絵があります。
このデザインは、千宗旦が炉縁の文様として好むなど、茶道具の意匠にもよく使われ、棗、香合をはじめさまざまな茶道具に見られます。高台寺の花筏は非常に力強く描かれた美しい蒔絵ですが、お茶席の着物の文様にすると少し強すぎるので、ここでは茶道具の邪魔をしないよう少し柔らかく優しい花筏になっています。高台寺にあるさまざまな調度品の蒔絵は「高台寺蒔絵」といわれ、この花筏以外にも秋草や楽器など着物の文様として多く使われています。
花筏の文様は着物全体に流れる総柄となっていて、ところどころに刺繍が施されています。お茶会では、どなたが着られても雰囲気を壊すことなく、席中に調和する着物です。
商品ページ:103-LL-kaw0057
商品名:訪問着レンタル 訪問着LLサイズ 加賀友禅:本間哲哉 花筏 薄ピンク
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10494/
ロケーション:おおきに迎賓館 紫明出雲路邸
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
「藤掛の松」
優しい色合いと控えめに描かれた図柄がお茶席によく合います。松は常盤といわれるように、長寿を表す吉祥の文様です。また樹木の王として天皇家にたとえられることもあります。そして藤は蔓性植物であるために、何か宿りとする植物が必要です。春の終わり頃から、山では松の大木を這い上り、花が開けば滝を思わせる藤の美しい姿がよく見られます。
お茶席ではあまり華やかすぎては席中で目を見張るので、地色に静かにとけ込むようなデザインになっています。藤は茶花に使いにくいので、お客様としては床の花と重なる心配が少なく、安心して着られる着物でしょう。ところで、藤には野田藤と山藤があります。栽培されているものはほとんど野田藤であり山藤に比べて花房が長く伸びます。能の演目で茶人にも好まれる「熊野(ゆや)」に縁の「熊野の長藤」が静岡県磐田市の行(ぎょう)興(こう)寺(じ)にあります。この藤は、熊野が母の菩提を弔ってこの寺を建立したときに植えたと伝えられています。
商品番号:103-LL-kaw0056
商品名:訪問着レンタル 訪問着LLサイズ 加賀友禅:本間哲哉 藤掛の松 クリーム
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10491/
ロケーション:おおきに迎賓館 紫明出雲路邸
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
「吉野山」
奈良県の「吉野山」は世に知られた桜の名所ですが、その謂れは知られていません。吉野金峯山寺蔵王堂の本尊蔵王権現は、飛鳥時代の修験者である役小角(えんのおづぬ・役行者)が修行中に感得した仏の姿を桜に彫ったことで、桜が御神木となり信仰する人々によって桜が献木され続けたので全山が桜で覆われたと聞きます。そのほとんどが山桜で、自然交配に因るために花や葉の色が違い、開花の時間に多少のずれができるので薄紅のグラデーションで山が覆われます。仁清は茶壷に花の吉野山を描きましたが、その茶壷を彷彿するような千本桜の遠景を、奥行きの深い山並みとして染めていただきました。
吉野には文楽や歌舞伎にまつわる話も多く、何よりも歌僧西行が愛したことで、歌枕として人々の憧れの地でもあります。花の一色を帯の色に選んで結ぶことで全体が引き締まっています。
商品番号:103-LL-kaw0087
商品名:訪問着レンタル 訪問着LLサイズ 加賀友禅:本間哲哉 吉野山 クリーム
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/11053/
ロケーション:平野の家 わざ 永々棟
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
「山躑躅」
過去には五月の山肌が燃えるように「躑躅」が咲いていたのですが、現代は気候の影響で四月に美しく咲き競います。孟浩然の詩の「花紅にして山燃えんと欲す」とあるのも躑躅と聞きます。
三葉躑躅はピンク系の優しい花色で、淡い初夏を思わせる地色に、写実に近い躑躅が気高く立ち上がります。躑躅は一部を除いては茶花に用いません。また、色絵の陶器にもあまり見かけません。そのために茶席の趣向を邪魔しないという配慮も、茶席の着物選びには大事な心掛けです。
商品番号:103-LL-kaw0090
商品名:訪問着レンタル 訪問着LLサイズ 加賀友禅:本間哲哉 ミツバツヅジ 裏葉柳色
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/11062/
「霞」
商品番号:103-L-kaw0202
商品名:訪問着レンタル 訪問着Lサイズ 京友禅:タケハナ染匠 霞 薄紫
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10537/
ロケーション:おおきに迎賓館 黒門中立賣邸
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
〈茶の湯の着物:五月〉
春から初夏にかけて竹林や笹原は美しい若緑に生まれ変わります。竹や笹の枝葉は、風の訪れを真っ先に伝えてくれます。五月ともなれば初夏の日差しにそろそろ暑さを感じる頃でもありますので、見る人に風を届けてくれればと思います。
「青楓に小禽」
渓谷の青楓に鶺鴒(せきれい)が飛ぶ景色としました。加賀友禅に刺繍を施した新しい着物です。五月の頃は山新樹と称されるほど山々がさまざまな色の草木の新芽に彩られます。ことに楓の若葉は目に眩しく、美しく爽やかです。また、若葉が出る前の楓の新芽は赤いことも古くから知られており、『伊勢物語』には「君がため手折れる枝は春ながらかくこそ秋のもみぢしにけれ」と歌われました。鶺鴒は水辺に棲む鳥で、神話に登場するなど古くから身近な鳥であり、「嫁ぎ教え鳥」「妹背鳥」などの異称があります。枝を伸ばす青楓の下の谷川に遊ぶ鶺鴒を添えて優しい渓谷を表し、快い季節を楽しみます。
商品ページ:103-LL-kaw0055
商品名:訪問着レンタル 訪問着LLサイズ 加賀友禅:本間哲哉 青楓に小禽 薄黄緑
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10490/
ロケーション:鶴屋八幡 近隣
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
「薬玉」
「薬玉」とは文字通り薬の玉です。多くは香料のようなもので作った珠に、やはり薬効成分をもつ蓬(よもぎ)や菖蒲(サトイモ科)に加え、五行の五色に染めて長い縷(る・糸)を添えて、無病長命の願いを込めて飾られるものです。日本では季節の花も加えて美しく形作られました。端午の日より重陽の前日まで家に飾って邪気を祓う縁起物であるために、和紙で作った造花を用います。何かの始まりの時にも邪気を祓い無事を祈って飾られるようになったようで、以前は子供の無事を祈って着物の柄に好まれて染められていました。和の模様には深い意味と歴史が込められているので、その謂れと共に後世に伝えていきたく思います。
端午の節句に魔よけなどのために身に着けて用いたとされる大きな糸巻「百索縷軸」が正倉院に所蔵されている。
商品番号:103-LL-kaw0091
商品名:訪問着レンタル 訪問着LLサイズ 加賀友禅:本間哲哉 薬玉 卯の花色
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/11095/
「橘」
「橘」は古代に垂仁天皇の命を受けて、常世国(とこよのくに)に不老長寿の妙薬を求めに行った田道間守(たじまもり)によって大和に持ち込まれた植物(非時香菓・ときじくのかぐのこのみ)で、右近の橘として紫宸殿や神社に伝わっています。初夏に清々しい芳香と共に高貴に咲き、秋にはたわわな実を結びます。いわば多くの子供である実を結ぶので、橘は女性の象徴となり橘姫、弟橘(おとたちばな)姫など女性の名に用いられました。聖武天皇の皇后である光明子の母「県犬養美千代(あがたいぬかいのみちよ)」は、女性ながらに「橘」の氏(うじ)を下賜されました。また橘は文化勲章の章のデザインに用いられていることでも、その重要性がわかります。
伊勢物語においても「五月待つ花橘の香をかげば 昔の人の袖の香ぞする」の歌が取り上げられて愛されてきました。柑橘系の爽やかな香りと共に、初夏の光に匂い立つような気品高い着物となりました。
商品番号:103-LL-kaw0094
商品名:訪問着レンタル 訪問着LLサイズ 加賀友禅:本間哲哉 花たちばな 苗色
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/11298/
「唐織十二支牡丹唐草」
商品番号:105-LL-kaw0004
商品名:色無地レンタル 色無地LLサイズ 唐織十二支牡丹唐草 縫一つ紋:桔梗 水浅葱色
商品ページ:https://www.warakuan.jp/iromuji/view/10606/
ロケーション:おおきに迎賓館 黒門中立賣邸
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
「切箔霞」
商品番号:103-LL-kaw0054
商品名:訪問着レンタル 訪問着LLサイズ 人間国宝:故福田喜重 曙 薄グレー
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10486/
ロケーション:おおきに迎賓館 黒門中立賣邸
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
〈茶の湯の着物:六月〉
「沢辺の蛍」
日本人が「蛍」を愛でてきた歴史は古く、清少納言も『枕草子』で、「夏は夜がよい、蛍が多く飛び交うのも、一つ二つとほのかに光っているのも風情がある」と述べています。光を放って飛ぶ期間の短い蛍、そして命が短く儚さを感じる蛍は、古来夏の風物詩としてさまざまに楽しまれてきました。七十二候には「腐草為蛍」(腐れたる草蛍となる)という季節があり、昔は朽ちた草が蛍になると信じられていました。そのため、蛍は別名「朽(くち)草(くさ)」「腐(くち)草(くさ)」などともいわれています。蛍の淡い光は、現在のように楽しむものとしてではなく、神秘的で不吉なものとも捉えられ、やがてその儚さが恋い焦がれる男女の情と重ねられるようにもなりました。和泉式部が夫である藤原保昌から打ち捨てられたときには、貴船神社で蛍が飛んでいるのを見て、「物思へば沢の蛍も我が身よりあくがれいづる魂(たま)かとぞみる」と詠み、恋する心が我が身から飛び出したようだ、といっています。蛍はその飛びかたから「火垂」が語源といわれ、その飛ぶ様子が恋する人を求める情熱と見られたとも思われます。かたや『源氏物語』では、蛍の光は玉鬘の姿を映し出す灯りとして御簾の内で放されたという雅びな演出になっています。六月の宵の風物として日本人が愛してやまない蛍の文様で、沢辺に生まれて恋に飛び交う「火垂」の愛しさを装いたいものです。
商品番号:103-LL-khi0002
商品名:単衣訪問着 単衣訪問着LLサイズ 加賀友禅:本間哲哉 沢辺の蛍 月白色
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10508/
ロケーション:おおきに迎賓館 黒門中立賣邸
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
「月にホトトギス」
雲間に漏れる「月影とホトトギス」を描いた文様も、平地でホトトギスの姿が見られるこの季節にぜひとも着たい一枚です。ホトトギスは、南の島から初夏に飛来する渡り鳥です。地域によってはちょうど田植えの時期にあたるので、これを目安として「田(た)長(おさ)鳥(どり)」「早(さ)苗(なえ)鳥(どり)」などとも呼ばれました。鳴き声は大きく、甲高い声をしていて、「テッペンカケタカ」などと聞きならされます。鶯の初音と同じく、その初音も古くから心待ちにされ、愛でられてきました。ホトトギスは口の中が赤く、その強烈な鳴き声から「鳴いて血を吐く」といわれたり、死出の国からやって来るといわれたりもしましたが、その特徴のある鳴き声は文学にも多く取り上げられています。『古今和歌集』の夏に載る歌は、そのほとんどがホトトギスを詠んだものです。ホトトギスは日中も鳴きますが、夜にも鳴く数少ない鳥だったので、とくに人々の注意を引いたのでしょう。百人一首にも明け方のホトトギスを詠んだ「ほととぎす 鳴きつる方を眺むればただ有明の月ぞ残れる」という有名な歌があります。雲間の月を見、ホトトギスの声を聞くことは古来日本人の何よりの至福だったのです。
商品番号:103-LL-khi0003
商品名:単衣訪問着 単衣訪問着LLサイズ 加賀友禅:本間哲哉 月にホトトギス 白茶
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10510/
ロケーション:おおきに迎賓館 黒門中立賣邸
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
「紫陽花」
日本原産の「紫陽花」は、原種の額紫陽花です。品種が改良されて大形のガクアジサイから球形に装飾花で覆われたいわゆる紫陽花など、五月雨の露を纏って多くの人々に愛されてきました。茶席に額紫陽花は入れられることもあるので、花の絵は奥ゆかしく配置されています。可能ならば茶花に何の花を用いるか、お尋ねになっておかれると安心です。どんなに美しく描かれても、実物には勝ることはできませんし、互いに美しさを打ち消しあっても失敗です。紫陽花は別名の一つに「オタクサ」とあり、長崎出身のオランダ商館員であったシーボルトの日本妻「お滝さん」が語源であるとする伝説もあります。確かにシーボルトは、帰国の折に多くの日本の植物を持ち帰った事実があります。
商品番号:103-LL-khi0009
商品名:衣訪問着 単衣訪問着LLサイズ 加賀友禅:本間哲哉 額紫陽花 洗柿色
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/11208/
「流水に蛇籠と芦に撫子」
夏の暑さに対して、倭言葉の世界では「暑い」の言葉はタブーです。言霊思想により「暑い」と口に出すと暑さが一入増すと思われていたからで、反対に泉や流水という言葉の持つ音で涼を感じ取っていました。それは、視覚や聴覚からくる涼です。自然のままの川原には小石が広がっています。そこでは水の流れを調節するために、場所によっては汀に「蛇籠(じゃかご)」(竹で編んだ大きく長い籠に石を詰めたもの)が置かれていました。汀(みぎわ)なので「芦」などの植物が茂り、涼しい川風に葉がそよいでいます。ここでは「川原撫子」を配しています。このような情景の絵柄は、むしろ見る人に涼を感じていただける着物であり、茶席にそよ風が立つ風情が好まれます。
商品番号:103-LL-khi0010
商品名:単衣訪問着 単衣訪問着LLサイズ 加賀友禅:本間哲哉 流水に蛇籠と芦に撫子 淡藤色
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/11301/
〈茶の湯の着物:七月〉
真夏の着物は、流水や波などから涼やかな水辺をイメージし、視覚から見る人に少しでも涼を感じていただけるものを選びます。
「波に千鳥」
「波に千鳥」の着物には、磯の波間を飛び交う千鳥が描かれています。千鳥といえばチドリ科の渡り鳥と考えると冬のイメージがありますが、水辺で群れをなす鳥のこともさす言葉でもあります。そして、氷屋さんの暖簾などにあしらわれるように、千鳥が飛ぶと涼しさが感じられます。波に千鳥の文様といえば、波を世間の波にたとえ「世間の荒波をともに乗り越えていく」という夫婦円満や、家内安全の縁起のよい文様として用いられることも多くありますので、その意味からも使い方は広がるでしょう。
商品番号:103-LL-kna0003
商品名:夏訪問着レンタル 夏訪問着LLサイズ 加賀友禅:本間哲哉 波に千鳥 紅碧色
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10496/
ロケーション:玄想庵
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
「波に千鳥」
商品番号:103-LL-kna0004
商品名:夏訪問着レンタル 夏訪問着LLサイズ 京友禅:染匠市川 波に千鳥 白藍色
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10497/
ロケーション:玄想庵
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
「波車」
波車とは、平安時代に貴族の移動手段であった牛車の車輪を川の浅瀬に浸している景色を図案化したものです。牛車の車輪は木製であったので、乾燥からの歪みなどを防ぐため、長く使用しないときには牛車から外して川の浅瀬に浸していました。この様子が雅びやかで風情あるものとされ、モチーフとして好まれました。着物だけでなく、茶道具の棗や茶碗などにもよく見られる文様の一つです。本来、車輪を水につけるということは季節を問わず行われていたものなので、文様としてとくに季節のあるものではありませんが、やはり水辺の文様ということで今回は夏の着物に取り入れました。これらの千鳥と波車にはいずれも波が描かれていますが、海と川で波の描かれかたに違いがあるのは興味深いところです。
「波車」=「片輪車」は東京国立博物館所蔵の「片輪車蒔絵螺鈿手箱」を参考に描いてます。
商品番号:103-LL-kna0005
商品名:夏訪問着レンタル 夏訪問着LLサイズ 加賀友禅:本間哲哉 波車 鳩羽鼠色
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10498/
ロケーション:玄想庵
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
「朝顔」
「朝顔」は、裏千家では茶花として使いませんので、床の花と重なる心配がなく、着物の柄には取り入れやすい文様です。朝顔には利休の有名な逸話があります。あるとき、秀吉が利休屋敷の露地の朝顔が見事であるという噂を聞き、利休に朝顔の茶の湯を所望しました。利休はその茶会の折に露地の朝顔をすべて切り取り、茶席の床にただ一輪の朝顔を入れました。これを見た秀吉は、利休の美意識に大いに感嘆したといわれています。茶花に朝顔を使う流派もあるようですが、裏千家で茶席に朝顔を入れないのは、この逸話の利休の覚悟を尊重しているからと伝わっています。こちらの着物には、涼やかな青い朝顔と籬が描かれています。籬が添えられていることで、目には見えない風を感じることができます。
商品番号:103-LL-kna0006
商品名:夏訪問着レンタル 夏訪問着LLサイズ 京友禅:染匠市川 垣根の朝顔 砥粉色
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10499/
ロケーション:老舗和菓子屋 鶴屋八幡
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
「波に貝」
海辺に貝といえば、海(み)松(る)貝(がい)の文様が有名です。海松は、浅い海に育つ海藻の一種で、『万葉集』にも詠まれ、食用として身近なものでした。形が松の葉を思わせることからこの漢字があてられたといわれていますが、この海松を貝と合わせた文様が海松貝で、和装では帯の文様によく見られます。ここでは着物の文様としたので、あえて海松貝とせず、波に貝の組み合わせとしました。こちらは夏用の着物ですが、波に貝の文様は、三月の難波の浦に貝を吹き寄せる「貝寄せ」と呼ばれる風の時季にもふさわしく、春の趣向としても楽しい文様です。
商品番号:103-LL-kna0001
商品名:夏訪問着レンタル 夏訪問着LLサイズ 京友禅:染匠市川 波に貝 秘色
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10478/
ロケーション:玄想庵
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
「波に貝」
商品番号:103-LL-kna0002
商品名:夏訪問着レンタル 夏訪問着LLサイズ 京友禅:染匠市川 波に貝 水色
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10495/
ロケーション:老舗和菓子屋 鶴屋八幡
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
〈ポイント〉
総じて、ここに紹介した着物は、少ない色目で爽やかに仕立てられ、清々しい印象の着物です。暑い夏は、見る人に暑苦しさを感じさせないことが大切です。涼やかな装いは、お茶席だけでなく、町着としても楽しんでいただけるでしょう。
〈茶の湯の着物:八月〉
「団扇に風」
建具を簀戸に涼やかにしつらえた夏座敷の席で、亭主の着物には、団扇が描かれています。
八月、立秋を迎えた後も残暑は厳しく、お客様には涼しさを感じていただきたいものです。団扇というのは、古くは老子の弟子といわれた八仙人の一人漢(かん)鍾(しょう)離(り)の持ち物で、奈良時代に日本に伝わりました。当時は貴人が顔を隠すために使うなど身分の高い人が使う物でしたが、その後武士が陣中で用いる軍配団扇となったり、江戸時代なると庶民にも涼をとるものとして広まり、文様としても好んで用いられるようになりました。そして、団扇の色や描かれる図柄にも涼しさを感じるように工夫され、文様のそれにもその工夫は踏襲されています。
この団扇には、桔梗、薄などの秋の草花が描かれ、その周りには萩の花が散らされています。風を送る団扇にも涼やかな秋の野の風情が描かれていますので、いっそうの涼を運んでくれるでしょう。帯、帯締め、帯揚げとも同系色で涼しげにまとめられています。
商品番号:103-LL-kna0007
商品名:夏訪問着レンタル 夏訪問着LLサイズ 加賀友禅:本間哲哉 団扇に風 卵色
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10500/
ロケーション:老舗和菓子屋 鶴屋八幡
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
「秋の七草」
立秋を過ぎれば暦の上では初秋となりますので、縹(はなだ)色の絽の着物に、秋の七草の花を集めて咲かせました。
秋の野に咲きたる花を指(および)折りかき数ふれば七種の花
萩の花尾花葛花撫子の花女郎花また藤袴朝貌(あさがお)の花
これらはともに万葉の歌人である山上憶良が詠んだ「秋の野の花を詠む歌」ですが、秋の七草の七種はこの歌がもとになっています。「朝貌の花」については、現在の朝顔ではなく、槿あるいは桔梗とするなど諸説あります。
秋の七草の着物には、涼しさを感じさせる白い帯を締めました。こちらの着物は、亭主が着るのも静かな佇まいとなってよいでしょう。ただし、その際は床の花と重ならないように気をつけたいものです。
商品番号:103-LL-kna0008
商品名:夏訪問着レンタル 夏訪問着LLサイズ 加賀友禅:本間哲哉 秋の七草 水色
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10501/
ロケーション:老舗和菓子屋 鶴屋八幡
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
〈茶の湯の着物:九月〉
ここでは、秋らしい植物としてコスモス、秋草、秋明菊の文様の着物を選びました。お茶会に花の文様の着物を着る際は、茶道具や床の花の邪魔をしないものを選びます。
「コスモス畑」
「秋桜」という漢字があてられるコスモスは、その可憐な優しい姿ながら「宇宙」という壮大な意味も持つ名前で愛でられています。幸いなことに洋花であるため茶花にはほとんど使われませんので、優しい色合いのコスモス畑を着物に表現しました。
商品番号:103-LL-khi0005
商品名:単衣訪問着 単衣訪問着LLサイズ 加賀友禅:本間哲哉 コスモス畑 白鼠色
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10798/
ロケーション:美濃吉本店 竹茂楼
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
「秋草」
秋草は、秋の野の草花を取り混ぜて描いた伝統的な文様で、さまざまな調度品や茶道具にも見ることができます。ここでは、菊をはじめ、女郎花(おみなえし)、萩などが描かれており、色とりどりの秋草の文様が美しく映えています。
商品番号:103-LL-khi0004
商品名:単衣訪問着 単衣訪問着LLサイズ 京友禅:染匠市川 秋草 クリームイエロー
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10440/
ロケーション:美濃吉本店 竹茂楼
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
「霞暈し秋草」
商品番号:103-LL-khi0008
商品名:単衣訪問着 単衣訪問着LLサイズ 京友禅:染匠市川 霞暈し秋草 アイボリーブラック
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10813/
ロケーション:三浦⽵泉陶房
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
「萩」
商品番号:103-LL-khi0007
商品名:単衣訪問着 単衣訪問着LLサイズ 加賀友禅:本間哲哉 萩 薄芥子色
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10441/
ロケーション:美濃吉本店 竹茂楼
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
「秋明菊」
秋明菊は、別名を貴船菊ともいい、京都の貴船周辺でよく見られました。山中に涼やかに咲いているさまが、古来尊ばれてきたのでしょう。
商品番号:103-LL-khi0006
商品名:単衣訪問着 単衣訪問着LLサイズ 加賀友禅:本間哲哉 秋明菊 白藤色
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10439/
ロケーション:美濃吉本店 竹茂楼
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
〈ポイント〉
秋草の着物を着る際には、床の花や茶道具の文様と重複しないものを選ぶのがよいでしょう。花は時のものとはいえ、亭主側であれば何の花を入れるか、あらかじめわかりやすいのですが、客として招かれる側には難しいかもしれません。あまり厳しく考える必要はありませんが、そのように心がける気持ちは持っておきたいものです。
一般に、亭主の着物は半東やお運びの方より華やかな、訪問着のような着物であってもよいでしょう。反対に半東などは亭主より控えめなものを着るのがよいとされます。それはあくまで亭主より目立つことなく亭主を引き立てるという気持ちからです。附下であれば、お運びで席中を歩く際、お客様の目の高さに模様があるので、着られる方だけでなく目にされるお客様にも華やいだ気持ちになっていただけるのではないでしょうか。また、たとえばこちらのコスモスの着物は総柄なので亭主向きと考えられますが、色合いがおとなしく控えめであるので、お手伝いの方が着られても差し支えないでしょう。訪問着だからとか附下だからと、着物の種類に固執することが大切なわけでなく、どのような心構えで着物を選ぶかということが重要です。
〈茶の湯の着物:十月〉
「野紺菊」
白い花びらの野路菊と紫色の野紺菊の花が、山路のようにぼかし染めした薄紫のここかしこに咲き誇っています。新暦の重陽に自然の菊の花は残念ながら咲いてはいません。また、園芸品種の丈夫そうな菊は茶花には向きません。しかし野路や山路に咲く小さな菊たちは、花も勿論ながらその気品ある香りと共に人々に永く愛されてきました。この着物は小紋のような優しさのある付け下げで、あまり畏まった感じを他の人に与えないのですが、所々に刺繍を施すことで品格を上げています。可愛らしく心が温かくなるような着物です。
商品番号:103-LL-kaw0063
商品名:訪問着レンタル 訪問着LLサイズ 加賀友禅:本間哲哉 野紺菊 薄ピンク紫
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10804/
ロケーション:淡交社 茶室「⿓翔庵」
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
「菊水」
菊の花と言えば能楽の「菊慈童(きくじどう)」を思い起こす人も多いと思います。それは中国の周時代の穆王ぼくおう)(BⅭ992~922年)に仕えていた侍童が、王への不敬が有ったとして、酈県(れきけん)の山中に流されましたが、その地で菊の露を呑んで暮らしたことで不老不死となったと言う伝説で、菊は長寿をもたらす花となりました。菊の露が集まって下水となって流れる様が、菊水の模様です。此の着物には上から下へと流れる菊の下水に、菊の花をあしらって長寿のめでたさを表した模様です。この意匠は古来さまざまな模様やデザインとなって、日本の文化を作ってきました。
商品番号:103-LL-kaw0058
商品名:訪問着レンタル 訪問着LLサイズ 加賀友禅作家:本間哲哉 菊水図 ピンクグレー
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10802/
ロケーション:三浦⽵泉陶房
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
「秋の七草」
「秋の野に咲きたる花を指折(およびお)り かき数降れば七種(ななくさ)の花
萩の花 尾花 葛花 瞿麦(なでしこ)の花 女郎花また藤袴 朝顔の花」
この歌は『万葉集』に載る山上億良(やまのうえおくら)の二首の歌です。春の七種が食べられる菜であったのに対して、秋の七種は薬草とも言われています。また萩の様な灌木も含みますので、正しくは草ではなく種と書いた方が良いようです。瞿麦は漢名の撫子で、朝顔も今の朝顔ではなく桔梗や槿ではないかと言われています。また葛の花は大きな葉が風に吹かれると、直ぐにひっくり返って裏が見えるので、「裏見」の音が「恨み」に通ずるとして以前は避けられてきました。幸い最近はあまり言われなくなったことで、素直に美しさに対峙できるようになりました。マメ科でのぼり藤のような花も美しいのですが、蔓の延びる姿がなんとも美しい様子です。これらの花々は茶席の花に好んで使われますので、茶花と被らないように気を付けることが懸命です。ここでは地色に溶け込むような色に染めることに因って、茶席の邪魔をしないように配慮をしています。秋には是非着てみたい着物です。
商品番号:103-LL-kaw0031
商品名:訪問着レンタル 訪問着LLサイズ 京友禅:染匠市川 秋の七草 紫水晶
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10805/
ロケーション:三浦⽵泉陶房
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
「霞に秋草」
秋の草花で一番思い起こすのは萩でしょう。種類が多く、開花時期が違うので割と長く楽しめます。また鹿の妻と詠われて、鹿の行路を邪魔するように咲き乱れます。散る様を「こぼれる」と表現して「こぼれ萩」の異称は菓子名にも取り上げられます。滋賀県の草津市南部に、形ばかりですが野路の玉川が流れています。この地は、昔は萩の名所でした。いわゆる「六玉川」の一つです。撫子も、春から秋まで次々と違う種類が咲き続ける為に別名を「常夏」ともいいます。九月の単衣に仕立てても良いと思います。
商品番号:103-LL-kaw0059
商品名:訪問着レンタル 訪問着LLサイズ 京友禅:染匠市川 霞に秋草 淡小豆
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10788/
ロケーション:淡交社 茶室「⿓翔庵」
撮影:studio Collection 代表 西岡照矢
「霞暈しに花文様」
商品番号:103-L-kaw0018
商品名:訪問着レンタル 訪問着Lサイズ 霞暈しに花文様 クリーム
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/679/
ロケーション:京料理清和荘
撮影:山平舎 代表 小林正和
〈茶の湯の着物:十一月〉
「源氏物語(総角宇治川、舟の紅葉狩り)」
光源氏の息子の薫や、孫の匂宮を主人公にした宇治十帖の中でも総角(あげまき)の巻の中で、薫は匂宮や友人たちと共に宇治川に舟を出し、楽器を奏して華々しく賑やかな紅葉狩りを催しています。それは宇治に住む恋しい大君(おおいのきみ)を意識してのことでした。此の物語に因み、能楽の「紅葉狩」とは異なる王朝の気高い紅葉狩りを描いて頂きました。本間先生が、敢えて人を描かず楽器のみで薫達を表し舟に載せてその華やかさと優雅さを見事に表現して頂きました。発想の転換の見事さとデザイン力に感服する着物です。
商品番号:103-LL-kaw0060
商品名:訪問着レンタル 訪問着LLサイズ 加賀友禅:本間哲哉 源氏物語『総角』 薄水色
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10789/
ロケーション:ちおん舎
撮影:山平舎 代表 小林正和
「竜田川」
奈良県の生駒山麓を源とし、平群町や斑鳩町を流れて大和川に注ぐ小流で、古来紅葉の名所です。殊に在原業平が詠んだ「千早ふる神代を聞かず竜田川 唐紅に水くくるとは」
この歌のイメージが大きいのです。奈良時代までは中国の影響で黄葉を愛でていたようですが、平安時代には白楽天の詩の影響で、赤いもみじが愛でられるようになりました。吹く風に梢より散る紅葉が、竜田川を紅の錦に織りあげて行く歌の風情が生き生きと上品に表現されています。
商品番号:103-LL-kaw0062
商品名:訪問着レンタル/訪問着LLサイズ/京友禅:染匠市川
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10786/
ロケーション:ちおん舎
撮影:山平舎 代表 小林正和
「竜田川」
同じく竜田川を染めたこの着物は、流域の中ほどで険しい渓谷の景色を見せるあたりを思い起こします。谷川に枝を大きく伸ばす紅葉と流水が、型絵のようなタッチで手描きされていて面白く感じます。また紅葉の葉の多くを白く染めることで、華やかでありながら、幅広い年齢層の方に楽しんで頂ける着物です。
商品番号:103-LL-kaw0089
商品名:訪訪問着レンタル 訪問着LLサイズ 加賀友禅:本間哲哉 竜田川 薄茶色
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/11056/
「宝尽くし」
十一月は茶家では開炉が有ります。古来開炉は「茶人正月」と言われていて、善哉などを振る舞う慶事です。道具組や懐石料理の献立、菓子などのここかしこに祝意を表します。日本は言霊思想により悪い言葉や意匠は避けて、縁起の良い物に包まれるように意識しました。この着物の宝尽くし模様こそ、めでたさに満ちています。宝尽くしとは七珍万宝を表し七宝と言われる物は経典より「金・銀・瑠璃(るり)(青い宝石)・玻璃(はり)(ガラス)・硨磲(しゃこ)(シャコ貝)・珊瑚(さんご)・瑪瑙(めのう)」などの宝石類ですが、それに加え「如意宝珠(にょいほうじゅ)(願を叶えてくれる珠)・宝鑰(ほうやく)(宝の入った蔵の鍵)・打ち出の小槌・金嚢(きんのう)(金の入った袋)・隠れ蓑 隠れ笠(身に着けると姿を隠せる物)・丁子(香・薬)・輪違い(連鎖・平和が永く続く)」更に分銅や巻物なども加えられます。また蓬莱を表す「松竹梅・鶴・亀」など長寿を願う物も含みます。まさに慶事に相応しい着物です。
商品番号:103-LL-kaw0081
商品名:訪問着レンタル 訪問着LLサイズ 加賀友禅:本間哲哉 宝尽くし 薄色
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10918/
ロケーション:おおきに迎賓館 紫明出雲路邸
撮影:山平舎 代表 小林正和
「鶴亀に宝尽くし」
同じく宝尽を描いた着物ですが、裾ぼかしの中に大小の吉兆の縁起物が描かれています。宝も少し大きく描くことで、亭主が着ても貫禄があって良いと思います。特に鶴亀が少し大きく描かれていて、長寿を寿ぐ意味が大きく広がります。ここでは茶人正月として着られているのですが、勿論のこと初釜や祝儀の茶会での客の着物として着て頂けば、何よりも相応しい着物となるでしょう。
商品番号:103-LL-kaw0061
商品名:訪問着レンタル 訪問着LLサイズ 京友禅:染匠市川 鶴亀に宝尽くし 鳶色
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10787/
ロケーション:おおきに迎賓館 紫明出雲路邸
撮影:山平舎 代表 小林正和
「花菱」
商品番号:103-L-kaw0042
商品名:訪問着レンタル 訪問着Lサイズ 刺繍:花菱 緑
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/703/
ロケーション:京料理清和荘
撮影:山平舎 代表 小林正和
〈茶の湯の着物:十二月〉
「水仙」
水仙は外来種であり多くの品種が有ります。日本に定着した水仙は二ホンズイセンで他種と比べ葉に厚みが有り、全体の丈も長く地中から身をよじらせるように成長します。別名に「雪中花」とあるように、草木も枯れる冬の景色の中に健気に雪を溶かして萌え出ずる力強いイメージが有ります。殊に寒い頃の姿は葉が広がらず、きりりと締まって美しい姿です。
水仙の漢字は漢名で、「水辺に咲くはな」からきていると言います。また海外でもギリシャ神話の中で、美少年だったナルキッソスが、水鏡に映る自分の姿に恋をして死んでしまいますが、その場には水仙の花が咲いたとして、欧米では水仙をナルシスと呼ぶようになりました。又この話がナルシシズムやナルシストの語源に成ったそうです。しかし水仙郷と呼ばれる日本の名所は、海に面した崖や山中の崖の一面に広がっているように思います。
この着物はまさに「雪中花」の姿で、裾に薄く降り積もる雪を割って咲き初める凛とした気高い花を強調したく、二株のみを描いています。水仙は球根に因る株咲きですから、中心の花とそれを囲う4枚の葉で構成されています。また足元は白い「はかま」に包まれているために、姿が引き締まります。それ故に真の花入にも対応できるほど、茶花としても格調が高く見えます。亭主方の茶席に着る場合は、茶花と重ならないように注意をして頂きたいものです。
商品番号:103-LL-kaw0067
商品名:訪問着レンタル 訪問着LLサイズ 加賀友禅:本間哲哉 水仙 卯の花色
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10872/
「雪持ち笹」
笹は竹の仲間ですが竹とは違います。笹は細く丈の短い物や、熊笹のように葉の幅が広い物も有ります。雪笹は家紋の模様としても伝えられて来ましたが、重い雪が降り積もっても折れることなくじっと耐え、ついには雪を払って跳ね上がったり、雪解けに復活する健気な姿が大和心と重なり、特に武士の世界に好まれてきたようです。また白雪と笹の色や形の対比が美しく意匠としても様々に愛されて来ました。空から幽かに降る雪片と共に雪中の静けさが伝わってきますが、温かみのある淡い地色が冷たさを打ち消してくれています。着ることで心が落ち着く優しい着物となりました。勿論若い方々にも着ていただきたいのですが、もう少し人生の先輩方に是非お召し願いたい着物です。
商品番号:103-LL-kaw0066
商品名:訪問着レンタル 訪問着LLサイズ 加賀友禅:本間哲哉 雪持ち笹 ベージュ
商品ページ:https://www.warakuan.jp/houmongi/view/10871/
ロケーション:ちおん舎
撮影:山平舎 代表 小林正和
〈協力〉
撮影にあたって
淡交社様に相談させていただき1年を通じた「茶の湯の着物」を広告出稿させていただきました。藤井先生のご紹介からロケーション撮影のすべての段取りをしていただきました。
着物制作:加賀友禅メーカー小川株式会社様のご紹介のもと加賀友禅作家 本間哲哉先生・由水十久先生にご協力いただきました。また、京友禅メーカーの染匠市川さんにご協力いただきました。
加賀友禅作家 本間哲也先生・由水十久先生には下絵図より丁寧に対応いただき作成いただきました。
茶事・茶会の設え:茶事・茶会をイメージしていただくために、各月の趣向を裏千家正教授 藤井宗悦先生に設えていただき、所作指導を藤井宗文先生にご指南いただき撮影いたしました。
モデル撮影:平野恵未さんに1年を通じてモデルをしていただきました。撮影・ヘアメイク・着付も平野恵未さんご協力のもとの撮影でした。
多くの皆様のご協力のもとこの「茶の湯の着物」を配信させていただきます事厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
着物監修:裏千家正教授 藤井宗文
茶道監修:裏千家正教授 藤井宗悦
加賀友禅メーカー:小川株式会社
加賀友禅作家:本間哲哉
加賀友禅作家:由水十久
京友禅メーカー:染匠市川
モデル・着付:和装着付 おとは 代表 平野恵未
撮影コーディネート:淡交社
〈茶席の着物と和敬清寂〉
お茶歴史がはじまったころから、着物は今日のような小袖という形に落ちついてきました。
お茶と着物が、それぞれの時代を経て、洗練されつくしてきたといえます。
着物とは深いつながりがありますが、当時の茶人は、表立っては男性でしたので、正式には実徳を着ます。
流儀によっては袴をつけるといった約束事がありました。しかし、婦人の着るものには、特に難しい決まりはないと聞いています。
それなら何を着てもいいかというと、やはりお茶という「和」と「清」のひとつの世界を生活の中に求めるのですから、その調和を乱すようなきもの姿にならないように心がけたいと思います。
ほんとうに茶道の心得の深い人は、他人の服装をあげつらうこともないと信じますが、その場にふさわしいものを着なければ、ひとり浮きあがってしまうこともありましょう。ときには、主催する方へ失礼になることもあります。
前もって、主催者や先生、同席する人々と打ち合わせることが大切です。
紋を付けたきものを着ることで、相手に対する「敬」の精神を表現することにもなります。
着物と帯のとりあわせで、格式を守ることもできます。
お茶を習う女性が着物選びをするのに、茶会の趣旨を考えて、茶室の広さに応じ、時候に合わせた装いをすることは大切なことで、これもお稽古のうちと思います。
年月とともに洗練され、やがて迷わないようになり、着物姿の動作にもしっとりとした味わいが自然に身について、茶室の「寂」を感じるようになるのではないでしょうか。
〈会社案内〉
水持産業株式会社
https://www.warakuan.jp/
〒933-0804富山県高岡市問屋町20番地
TEL:0120-25-3306
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