【アレコレ細野美也子】着物コーデ:7月① 東レ洗える附下|みずもち|富山県
梅雨の時季にすっきり爽やかな装いーー湿度ゼロ、好感度100%の引き算コーディネート。
〈着物〉
涼しさをもたらす科学的なエビデンスがある、夏にオススメの爽やかな藤色を地色にした附下。
青みが強いので、クール、爽やか、シャープな印象をもたらすとともに、知性を感じさせる色目です。
因みに、濃い紫で藍色がかった紫は、江戸紫。
赤みに寄る紫は京紫になります。
赤みが入ると温かみ、色香が感じられます。
このブログではコーディネートを中心に、色や柄、それにまつわる歴史やエピソードなどをご紹介することが多いのですが、
いつも心がけているのはそれぞれにエビデンスがある内容をお伝えしたいと思っていることです。
着物自体はファッションで、コーディネートも、好みはあっても正否があるものではありません。
感覚的なものではありますが、それでもコーディネートの基本要素となる色や柄、その意味、歴史を語るときにはエビデンスがあることを心がけています。
今までもそうですが、色の話題に関しても学術的な色彩理論をベースにしています。
今回もちょっと色の話をしたいのですが―梅雨時、そして熱中症も増えてくるので、そこに関連した色のことをお伝えしたいと思います。
色と熱中症?と思いますよね。
実は色で体感温度が変わることは科学的に実証されています。
よく紹介される実験例は、壁紙もふくめて全体を青にまとめた部屋と、赤にまとめた部屋にそれぞれ一定時間いて、体の温度を色別で表すサーモグラフィーで測ると明らかな体温差が見られます。
これは脳が交感神経への刺激を感じることで実際の体温にも影響が出るからです。
赤は人を刺激する色で、暖かく感じます。
私たちが夏の濃い赤色を見ると暑苦しく感じるのは感覚的なようでいて、実は科学的な正しい反応なのです。
まさに暖色。
逆にいうと、寒色を見ると脳は涼しさを感じます。
さらには、国立環境研究所の研究員が行った、色による衣類の表面温度の比較では、
白、黄色、薄いグレーでは外気温と変わらず、黒、紫などの濃い色では外気温より10〜15度も上がっているという結果が出ています。
意外なのは、赤は衣服単体としてはそこまで熱の吸収率が高くないのですが、人が着たときの生体反応として脳が暖かさ・暑さを感じます。
ちょっと着物とは離れた専門的な内容ではありますが、
色の話に戻ると、着るものの色で涼しさや体温が変わるということ、多少なりとも暑さを回避できうるということです。
念頭においておくと、日常の衣服生活でも役に立つと思います。
着物初心者の方が気軽に着られる附下。着物上級者の方が満足する完成度。
きものサロンみずもちセレクト附下。
〈帯〉
夏八寸名古屋帯 西陣織 絽綴れ 都 都 浮玉。
―夏を刻むリズムのようであり、梅雨の雫のようでもあり透明感がある白ベースの絽綴れの名古屋帯
織元・都はオリジナリティのあるユニークな柄が得意ですが、それも技術力があってこそ。
ご紹介する帯は全体にシンプルなデザインながら、浮玉の立体感が大人かわいい表情になっており、絽綴れの中にわずかに入るよろけも、粋なアクセント。
名門織元の技術と意識が感じられます。
昨今は生産が減っている絽綴れ。
附下に合わせてきちんと感を出していますが、軽やかな雰囲気なので、綺麗目な小紋や夏紬でも大いに活躍してくれそうです。
〈コーディネート〉
涼感を超えた冷感が心地よい、主張しすぎない引き算コーディネート。
先の着物の項でもお話しているように、夏のコーディネートは涼感が大事。
寒色ベースに白の絽綴れを合わせて、涼感以上のクールさを意識した組み合わせです。
しかし単に寒色というだけではなく、附下の絽の素材感と、そして帯の絽綴れの素材感。
絽目の横線がいい意味でキャンバスになり、附下、帯、それぞれの柄が生きています。
控えめな柄なのに、存在が無視できない絶妙なバランスです。
そして常にお伝えしている通り、コーディネートにおいては小物が非常に重要。
着物・帯があっての着物ファッションですが、そこに小物が参加することで着物と帯のイメージが鮮やかに変化します。
今回は、普通なら帯〆にはっきりした色を入れたくなるところ、あえて同系の薄水色のレース四部紐でなじませつつ、柄にある白のポッチが帯の浮玉に呼応する演出にしました。
ここでもわずかながら白を効かせるように意識し、濃紫の帯上で全体の透明感が際立つ、キレの良い仕上がりにしました。
帯上は衿秀の、八丁撚糸を使用した絹地では珍しいシャリ感のある生地です。
単衣・夏附下:東レシルジェリー洗える着物 111-0148
夏八寸名古屋帯:西陣織 都 浮玉 120-0054
夏帯上:京都和装小物 衿秀 絹地水撚り八丁撚糸使用 紫 313-0189
夏帯〆:江戸組紐 五嶋紐 レース 312-0389
きものサロンみずもち:https://warakuan.shop-pro.jp/
〈コーディネーター〉
コーディネート 文:細野美也子様(月刊アレコレ)
https://www.arecole.com/
Instagram:@arecole.miyakohosono
〈会社案内〉
水持産業株式会社
https://www.warakuan.jp/
〒933-0804富山県高岡市問屋町20番地
TEL:0120-25-3306
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